MG-1

農薬散布ドローン3機種に見る、その可能性と未来

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農薬散布の主役がラジコンヘリコプターから
ドローンへと変わる!?

農薬散布ドローンとして、どんなドローンがあるのか?
今後どんなことが期待できるのか!? まとめました!

農薬散布はドローン時代へ突入か?

農薬散布といえばラジコンヘリコプターでとイメージする方は多いのではないでしょうか?
しかし、農薬散布用のラジコンヘリコプターは機体が1200万円と非常に高価。

さすがにその機動力は素晴らしく、一日に12~20ヘクタールの農薬散布が可能です。
※1ヘクタール=100m×100m

動力はガソリンエンジンですが、最新モデルの性能は、価格だけのことはあるという印象です。
ちなみに、ラジコンヘリコプターでの農薬散布は1回あたり15万円以上と言われています。

一方、昨今ドローンによる農薬散布が徐々に広まりつつあります。
というのも、機体が安価で操作も比較的簡単なため、専門業者に依頼せず、
自分で作業をするという方も。。

昨年の航空法改正に伴い、ほぼ確実に飛行のために許可や承認が必要になったため、ドローンの飛行に関して確かな技術を持った業者に頼む方もいますが、DJIや各社がサポート体制を整えて、農家の方が自分で農薬散布をドローンでという時代が来ています!

ドローンは農薬散布に特化した小型のもの(と言っても幅は1.7m程度。重量は10kg程度)であれば、100万円程度で手にすることが出来ます。

ラジコンヘリコプターでの農薬散布が15万円とすると、7回程度で元が取れるわけですからコストパフォーマンスは高いです。だからこそ、自分でドローンを購入して自分で農薬散布という方が増えています!

もちろん、ローコストであるがゆえでしょう、機体の性能が劣るのは言うまでもなく、農薬散布能力は1本のバッテリーで40a~100a程度となっています。

実際には、このクラスのドローンで年間100haの農薬散布を行っている方もいるようなので、

むしろ手軽に運用出来るため、小回りがきき、散布をしたい日に出来るというメリットがあるようです。飛行の安全性という観点からも、小型ドローンの有用性は高いと言えるでしょう。

農水省が進めている農薬散布ドローン認定

現在、農林水産省と、一般社団法人農林水産航空協会が協力して、農薬散布に適した機種の認定作業を進めています。

その目的は

・高い安全性を確保

・農業利用の拡大 に尽きます。

この安全が担保されなければ、農業へのドローン活用の道は頓挫する可能性もあるわけですから、何をおいても安全というのは納得ができます。

さて、2016年6月現在、農薬散布マルチローターとして認定されているのは3機種です。

  • エンルート Zion AC940シリーズ 機体のみ 84万2400円(税別)

  • 丸山製作所 MM940ACスカイマスター 220万円(税別)。

  • ヨコヤマコーポレーション DAX04 255万円(予定)

実質、エンルートは機体のみですし、丸山製作所のMM940シリーズはエンルートとの共同開発なので、農薬散布のドローンとしては、

MM940ACとDAX04の2機種ということになるでしょう。

価格については、実際に運用するまでには本体、オプション、運用までの教習費用、メンテナンス費用がかかるようなので、もっと高くなると思われます。

とはいえ、ラジコンヘリコプターに比べれば圧倒的にローコストです。

農薬散布ドローンのスペック

●MMC940AC

メーカーHPにはカタログもアップされておりデータがしっかり好評されています。

・1回の飛行で50a程度の農薬散布が可能
・4リットルの農薬搭載で50aを5~6分で農薬散布出来る
・飛行範囲は電源投入地点から半径200m
・200mを超えると自動帰還するモード搭載
・機体が離れすぎた場合自動帰還モードに切り替えることで、
 電源投入ポイントまで自動飛行して帰還する機能あり
・バッテリーの残量は送信機にバイブレーション機能が内蔵され、操縦士に知らせてくれる
・薬剤タンク5リッター
・最大吐出量1L/min
・本体重量6.5kg(液剤散布装置含む)
・飛行時間10分
・サイズ(mm) L880×W1010×H450
・6ローター
・価格 220万円(税別)

●DAX04

こちらはメーカー公表のデータが少ないですが、性能はなかなかのものではないでしょうか。
・1回の飛行での散布能力は1ha!
・8分から10分で1haに農薬散布が可能
・バッテリーの残量は送信機にバイブレーション機能が内蔵され、操縦士に知らせてくれる
・フェールセーフ機能はポンプ停止とその場で自動着陸をする設定
・薬剤タンク10リッター
・最大吐出量0.8L/min
・飛行時間10分~14分
・4ローター
・サイズ(mm) L950mm×W1650×H692
・最大離陸重量 27kg(ペイロード15kg)
・価格 255万円(予定)

ローターの数に見る安全性

ちょっと脇道にそれますが、ドローンの安全性について述べたいと思います。

この2モデルを比べると、コストパフォーマンスだけで見るとDAX04に分がありそうですが、MMC940ACはヘキサコプター、つまり6ローター仕様。

DAX4はクワッドコプターで4ローター仕様です。

実は4ローターはモーターが1つ動かなくなると、ほぼ100%墜落します。

しかし、6ローターなら、最悪2個のモーターが死んでも、墜落を免れるケースが多く、機体に異常を感じた時点で着陸をさせられる可能性があります。

認定テストという限られた時間の中での性能試験では、耐久性までを深くテストすることは難しいので、今後の認定テストの項目には是非、耐久テストも盛り込んで欲しいと感じています。

わたしはドローンが産業用として活躍し、社会的理解を得るためには安全性については妥協すべきでないと感じています。

またわたしの場合、ホビーとしてのドローンにも大変興味があり、「墜落事故」が報道されればされるほど、ドローンの安全性が疑われ、規制が強化される可能性が高まるのはとても残念なことです。

ドローンが脳の活性化を促す!?

ラジコンは両手を使って、2次元や3次元の動きをイメージしながら操作するため、右脳の活性化にも寄与するという話もあります。

ホビーとしてのラジコンだけでなく、老化防止や空間認識能力の向上など、違った意味での可能性もあると思います。

ご存じの方もいると思いますが、50歳までプロ野球選手として活躍した山本昌氏はラジコンの達人。

そこまで長く現役を続けられた理由のひとつに、ラジコンをやっていたことを挙げたことは、当時話題になったものです。

話はそれましたが、産業用ドローンの安全性が、ドローンが社会的に認知される上で、本当に重要だということです。

それによって今後の規制が強化されるか、緩和されるかが決まってくると言っても過言ではないと思います。

さて、この農業用ドローン。

今のところ、日本では名の売れた大企業は本格参入はしていません。

しかし、農機王手のクボタが2017年には本格参入を目論んでいます。

機体価格は約200万円。3年後には年間1000台を見込んでいるとのこと。

ドローン世界シェアナンバー1のDJIが農薬散布ドローンをリリース

注目のもう1機種が、DJI「Agras MG-1」。DJIは中国、韓国ではすでにこの農業用ドローンを販売しています。

MG-1。すでに日本でのテストを行っており、近い将来、前述の機種同様、認定機種になることが見込まれるモデルです。⇒2017年3月時点では、すでに認定をとってDJIサポートの元、多くの農家の方が使い始めています!(2017年3月加筆)

MG-1の素晴らしさは、ほぼ全自動での作業を行う、スマートモード。

不規則な地形に合わせた飛行が可能なアシストモードが搭載されていることです。
英語版ですが、DJIの紹介動画がこちら。

(出典:YoutubeのDJIアカウントより)

この機能を熟知した上で、十分な知識とスキルを持った操縦者がMG-1を使用することで、正確かつ安全で、操縦者の負担が少ない農薬散布が可能になります。

真の意味の効率化は、機械に任せられることは自動で機械にやってもらうことです。
日本製の機種と比べても同等以上のパフォーマンスを見せてくれるのは間違いのではないでしょうか?

しかも、販売予価は1,500ドルと言われており、日本円で150万円程度(1ドル=105円換算)。
必要なオプションも含めると、日本製の他機種と同等程度になるか、少し高くなると推測されます。

MG-1スペック

・サイズ(mm) L1471×W1471×H482
・8ローター
・10分で40a~60aに散布可能
(1時間換算で2.8ha~4haへの散布可能)
・薬剤タンク 10L
・インテリジェントスプレーシステムによる液剤均一散布
・モーターへの粒子状物質の侵入を防ぐフィルターを搭載し、モーターライフを3倍に向上
・インテリジェントメモリー機能により、飛行中断前の地点から飛行を再開
・防水仕様
・機体総重量 8.8kg(バッテリーなし)
・離陸重量 22.5kg(ペイロード10kg)
・飛行時間 10分

正式には発表されていませんが、ファントムシリーズ、インスパイアシリーズで培った、
フェールセーフと連動した自動ゴーホーム機能なども搭載されることは間違いないでしょう。

MG-1の詳しい紹介は、こちらのページで紹介しています!⇨MG-1実力検証

MG-1購入前の練習&技能取得にはDJI製品がおススメ⇒ドローンショップDronepower

今や、企業価値1兆円を超え、世界での売上が1000億円規模と言われる大企業となったDJIと日本の技術の競合による更なる進化も期待できそうです。

農薬散布だけではない農業へのドローン活用

卓越した飛行性能があるからこそ可能な農薬散布。また、他の記事でも取り上げているように、ドローンはフライングカメラとして大きな注目を集めています。

そのカメラの代わりにスペクトル帯域を検知するセンサーを取り付け、農地の生育状況を正確に把握出来るという技術がすでにフランスで実用化されています。

フランスはドローン業界ナンバー2のParrot社のお膝元。

農業への活用においては世界でも1,2を争う先進国です。

このセンサーは作物の反射率を成果に把握し、
葉面積指数や葉緑素含量などを確認することが出来ます。

このデータをコンピューターで解析することで、
収穫量を最大化するための情報を抽出出来るというのです。

例えば、葉の栄養状態がわかるので、農作物の生育状況を
コンピューターデータとして可視化出来るので、
肥料が不足しているところ、
充足しているところを正確に見ることが出来ます。

このデータを共有し、肥料散布のドローンと連携させれれば、どうでしょう?

・農薬散布
・生育管理
・肥料散布 

といった労力、時間、費用のかかる作業を効率的に行うことが出来る様になることは容易に想像できますよね。

フランスでこの事業を進めている、「Airinov(エリノブ)社」は2015年度には、国内の十数人のドローン操縦士と契約を結ぶことで、2万回の飛行回数を見込んでいたとのこと。

実際、2014年度にも5000回の飛行を行っていると言われています。
いずれにせよ、ドローンを農業に活用することで、
生産性を上げられる可能性があるようです。

日本でも始まっているドローンの新たな農業への活用実験

実際に北海道旭川と沖縄で、このフランスで行われている、
「ドローンを利用した精密農業」の実用化に向けての実証実験も始まっている。

ドローンが農業でも活躍し、社会的地位を確立することを期待しています。

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